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Complete User Documentation

cvELD Shell Fit

服から肌が飛び出したり、衣装が体に埋もれたりしたら、ShellFitで形を合わせてみましょう。画面で仕上がりを見ながら調整し、気に入った結果をシェイプキーやメッシュへ保存できるBlenderアドオンです。

cvELD_ShellFit · Version 1.3.4 · Blender 4.5.0以上・5.3.0未満(5.2.1 推奨)· SDFは5.2以降 · GPL-3.0-or-later

概要と役割

日本語UIの表示名で操作を案内します。「Quick Shell fit」と製品名は日本語UIでも英語表記のままです。画像内が英語の場合は、変形側=Deform、基準側=Reference、登録した衣装をまとめてフィット=Fit Registered Clothes と読み替えてください。

衣装を着せたときに肌が外へ突き出す、または衣装が体へ埋もれる状態をシェルフィットで調整します。ボディと衣装は「何を基準にするか」と「何を動かすか」を分けて指定できます。

変形側: ボディ

衣装を基準側にして、突き出したボディを内側へ収めます。この役割が「ボディが動く」に相当します。

変形側: 衣装

ボディを基準側にして、衣装を外側へ押し出します。この役割が「クロスが動く」に相当します。

フィットの種類

シェル は薄い布、ソリッド は厚みのある閉じた帯状パーツ、自動 は自動判定です。

やりたいことから選びましょう

  • 指定オブジェクト → 表面フィット: ボディ/衣装全体を対象に、貫通と表面距離を調整します。
  • 指定オブジェクト → バルジ: リングや靴下のゴムが肌に食い込む溝と、その周りのふっくらした盛り上がりを作ります。表面フィットとは別に調整できます。
  • 選択ジオメトリー → 選択追従フィット: 服全体ではなく、襟や袖など選んだ頂点・辺・面を取り付け位置(アンカー)にして、周囲もなじませます。初期状態では衣装をボディへ合わせます。
  • 選択ジオメトリー → Quick Shell fit: 頂点やカーブ制御点をスナップし、必要ならウェイト・シェイプキー・アーマチュアモディファイアをコピーします。
  • 選択ジオメトリー → ラティス: 細かい頂点を一つずつ動かす代わりに、モデルを囲む格子(ラティス)の点を動かして、フィット後の形を整えます。
操作の基本: ボディと衣装を指定 → 動くのは(動かす側)を選択 → フィットの種類と焼き込み先を確認 → ライブ開始 → 結果を調整 → 確定 で確定、または 中止 で戻します。
表面フィットの例。左が実行前、右が肌を内側へ収めた後です。

導入

対応言語と設定方法

ShellFitのUIは、英語・日本語・簡体字中国語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・ポルトガル語(ブラジル)・韓国語・イタリア語の10言語に対応しています。

Blenderの「プリファレンス → インターフェイス」で使用する言語を選び、翻訳対象の「インターフェイス」「ツールチップ」を有効にしてください。ShellFitのメニューや説明も、選んだ言語で表示されます。

言語や項目によって翻訳が揃っていない場合は、英語で表示されます。製品名・データ名・ショートカット表記は、元の表記を使用する場合があります。翻訳には不自然な表現が残る場合があるため、意味が分かりにくいときは英語表示や詳細マニュアルもご参照ください。詳細マニュアルは日本語・英語で提供しています。

対応10言語の表示例として、英語・日本語・簡体字中国語・スペイン語を掲載しています。他の対応言語も同じ設定方法で利用できます。画像内の文字の省略はパネル幅によるものです。

対応範囲

  • Blender 4.5.0 以上、5.3.0 未満。開発・検証の基準は Blender 5.2.1 です。
  • Blender 4.5.0/4.5.6/4.5.8で標準精度、選択フィット、焼き込み、保存再読込、Undo/Redoを検証しています。SDFは5.2以降で必要なノードが使える場合のみ有効です。4.5では選択肢と調整欄をグレーアウトし、保存済みの設定と結果を保持します。再計算にはMAXなど別の精度を選んでください。
  • 同じシーン内の編集可能なメッシュオブジェクトをボディと衣装に指定します。カーブ、アーマチュア、同じオブジェクトの両指定は使用できません。

Linuxで使う場合

開発・実機検証はWindowsで行っています。Linuxでは、配布元によってBlenderが使用するPythonやライブラリの構成が異なります。Python 3.14を使用するLinux版で動作しないというユーザー報告を受けていますが、開発者側では未再現で、原因と影響範囲は未確認です。アドオン全体がPython 3.13必須、またはPython 3.14で一律に非対応と確認されたわけではありません。

  • ディストリビューション付属版で問題が出る場合は、まず上記対応範囲内のBlender公式配布版での確認をお勧めします。
  • Flatpak版Blenderもユーザーから回避策として提案されています。開発者側では動作・解決を確認していないため、対応範囲内のBlenderバージョンでお試しください。最新版がShellFitの対応範囲内とは限りません。
  • 確認するのはOSのPythonではなく、Blender内で使用されるPythonです。BlenderのPythonコンソールで import sys; print(sys.version) を実行すると確認できます。この報告への対処としてOSのPythonを入れ替える必要はありません。

同梱のネイティブ高速化はWindows x64・CPython 3.13向けの任意機能です。LinuxではPython版の処理を使用する設計ですが、これだけでLinuxでの動作を保証するものではありません。問題をご連絡いただく際は、Linuxディストリビューション、BlenderとShellFitのバージョン、Blenderの入手方法、上記Pythonバージョン、エラー全文をお知らせください。

インストール

  1. 配布された zip を解凍せずに用意します。
  2. 編集 → プリファレンス → アドオン → 右上のメニュー → ディスクからインストール から zip を選びます。拡張機能として配布されている場合は Blender の拡張機能手順に従います。
  3. cvELD Shell Fit を有効化し、3Dビューポートのサイドバー(N)にタブが表示されることを確認します。

ボディと衣装を意図した位置・大きさに配置してから使います。更新前にはライブ状態を確定またはキャンセルで終了してください。

Pieメニューのカスタマイズ

プリファレンス → cvELD Shell Fit →「Pieメニュー」で、Pieを追加・複製・名前変更・削除できます。分類を選び、8方向の配置図でボタンを押してコマンドを検索してください。QuickShellFitだけでなく表面フィット、選区追従、ラティス、バルジ、データ転送、保護などを割り当てられます。各Pieの下にあるキー欄から個別のショートカットを設定し、「プリファレンスを保存」で保存します。

元のPieは配置と編集モードのショートカットを引き継ぎます。オブジェクトモードにもCtrl+Shift+1の初期割り当てがあります。新しいPieはキー未設定で、3Dビューの各モードで呼び出せます。各コマンドのモード・対象・ライブ状態の条件は通常のボタンと同じです。対象リストの行など個別の文脈が必要な内部操作は候補に含みません。

更新チェック

プリファレンスのアドオン設定 →「一般」→「更新」で自動更新確認を設定できます。「サポート」にはマニュアルと販売・サポートリンクがあります。更新確認はオンラインアクセスが必要で、起動後と1日ごとに安定版情報を確認します。モデルやシーン情報は送信せず、インストールは手動です。

埋まり・貫通チェック(Penetration Inspector)

服が体に埋まっている場所や、面同士が交差している場所を色で確認し、自動修正または手動調整へ進むツールです。Nパネルで体を「基準」、衣装を「変形」に指定し、「貫通を検査」を押します。

靴下の交差箇所と、埋まりチェックの結果・操作ボタン
添付サンプルの検査画面。Open bodyではInsideの「—」は未判定を表し、埋まりが0件という意味ではありません。
  • Crossings(赤):基準と交差する検査用三角形。
  • Inside(桃):閉じたボディの内部と推定された頂点。開いたボディでは「—」を表示します。
  • Near(黄):検査クリアランス以内にあるサンプルを含む三角形。
  • Review(橙):内外を確定できないなど、目視確認が必要な三角形。各表示は単位が異なり、同じ場所が複数の分類に含まれる場合があります。

「検査クリアランス」は近接判定と修正の距離です。「変更を監視」は形状・ポーズの変更後に再検査し、「メッシュ越しに表示」は隠れたマークを見やすくします。「再検査」で明示的に更新でき、「詳細」には追加の判定情報を表示します。

確定・中止はオブジェクトモードで行います。自動修正・確定・中止・手動調整はUndo/Redoに対応します。Undo/Redo後は検査画面を開き直してください。中止時は途中の手編集を残し、未編集と確認できる場合は元のメッシュと共有関係も戻します。

Nパネルの「貫通検査」でボディと衣装を指定し「貫通を検査」を押すと、ビューポートに結果と操作ボタンを表示します。「選択した2つを使用」はアクティブなメッシュをボディにします。赤は交差面、桃は閉じたボディの内部推定、黄橙は近接・不確実な面です。「変更を監視」で編集後に再検査します。

「自動修正」は衣装全体に既存ShellFitのライブ補正を作成し、再検査します。「修正を確定」または「修正を中止」の後、「手動調整」で問題の制御頂点を選び、ShellFitの選択ジオメトリーや通常の移動操作で調整できます。モディファイアで形が変わっている場合の制御頂点選択は近似です。検査を閉じてもライブ修正は勝手に確定されません。

対象は現在ポーズの1組です。検査はCPU、描画はGPUです。開いたボディの内外や自己交差、全ポーズの無貫通を保証するものではありません。自動修正はレスト形状用なので、ポーズ適用中のArmatureは手動調整を使用してください。

基本手順(表面フィット)

実演:靴下とスカート

靴下を脚にフィットさせ、付属リボンの造形を保つ例です。
スカートをフィットさせた後、「スカートの開きを保持」と保持量で裾のフィット感を調整します。

まずは衣装を1つだけ選んで試してみましょう。ここでは「肌が服から飛び出す」「服が体に埋もれる」といった部分を、画面で確認しながら直していきます。作業前にファイルを保存しておくと、調整前の状態と比べやすくなります。

  1. 対象を指定: ボディと衣装欄へメッシュを入れます。スポイトは現在選択中のメッシュを指定し、+ は衣装の追加登録に使います。
  2. 動かす側を指定: パネルの役割ボタンを 変形側 にするとそのオブジェクトが変形し、基準側 は基準になります。パネルには 動くのは: オブジェクト名 と表示されます。
  3. 範囲を確認: 上部の 指定オブジェクト → 表面フィット を開きます。選択部分だけを扱う場合は、後述の「選択ジオメトリー」を使います。複数衣装の表面フィットは衣装を変形側にし、登録した衣装をまとめてフィットを有効にした場合に登録衣装を処理します。
  4. フィットの種類とフィット精度を選択: 薄い布はシェル、厚い閉じたパーツはソリッド、迷う場合は自動。広い形合わせは「粗い」〜「高精細」、接触まで詰める場合は MAX を選びます。
  5. 焼き込み先を選択: 新規シェイプキー は調整した形をキーとして保存し、後から値を変えてフィット量を調整できます。メッシュに直接(破壊的) は頂点の位置そのものへ結果を書き込みます。シェイプキーの名前は ShellFit が初期値です。
  6. ライブ開始: Setup 時に自動計測が有効なら、モデルに合わせて初期値を設定してライブを開始します。設定を変えると表示中の結果が更新されます。
  7. 確定:「確定」で選択した保存先へ焼き込みます。調整をやり直したいときは「中止」で今回のライブ補正を取り除けます。確定後に戻したい場合は、シェイプキーの値を調整するか、Undo・保存しておいたファイルを使いましょう。「中止」が取り消すのは確定前のライブ補正です。
元データを残して試すには:まず「新規シェイプキー」を選び、「同一名称は上書きする」をオフにしましょう。同名のキーがあっても番号付きの新しいキーとして保存できます。「メッシュに直接(破壊的)」を使う前には、複製またはファイル保存で元の形を残してください。ライブ中に対象オブジェクトを変更するときは、先に確定またはキャンセルを実行してください。

フィット精度

大まかな輪郭を合わせたいのか、肌が飛び出した部分まで詰めたいのかで、フィット精度を選びましょう。「粗い」〜「高精細」は全体の形合わせ、「MAX」は細かな接触の補正に向いています。現在の初期値は従来の詳細接触処理である MAX です。既存ファイルに保存された設定値もそのまま保持されます。

表示内部の目安用途と制限
粗い格子 64 点大きな形だけを短時間で合わせる。
中間格子 216 点中程度の形合わせ。
細かい格子 512 点通常の広域形合わせ。
高精細格子 4096 点細かいより高密度の形合わせ。小さな接触まで直したいときは MAX へ切り替えましょう。
MAX従来の詳細接触処理細かい接触まで補正。モデルによっては計算時間が増えます。
SDFグリッドボリューム方式閉じたボディ向け。Blender 5.2 以降、衣装が変形側のときだけ利用できます。

SDFグリッド

衣装を変形側にしたときに、自動・シェル・ソリッドで利用できます。SDF解像度は32〜256、初期値128です。値を上げると時間とメモリを多く使います。ボディに穴がある場合や、面の表裏を表す法線が不揃いな場合は、先にメッシュを整えてください。そのまま表面を基準に調整したいときは MAX を選びましょう。

活用例:ベイク前にハイポリをローポリへ合わせる

Substance 3D Painterでハイポリのディテールをローポリへベイクするとき、制作途中の修正によって両者の造形が少しずつずれてしまうことがあります。「完成したローポリは変えず、ハイポリの形を寄せたい」——そんな位置合わせにも、フィット精度のラフ合わせを活用できます。

10万を超えるような高密度メッシュでは、詳細な接触補正を繰り返すと処理が重くなり、結果を見ながらの調整が難しくなる場合があります。「粗い」や「中間」は、少数の代表点から内部ケージ(格子)の変形を求め、元の高密度メッシュへ広い範囲の変位を加える方式です。細部を一つずつ相手へ押し付けるのではなく、全体の輪郭や曲がりを大まかに合わせることで、調整時の計算負荷を抑えます。

  1. ベイク用のハイポリを「変形側」、ローポリを「基準側」に指定します。元の造形を残すため、複製または新規シェイプキーで作業します。
  2. 「フィット精度」を「粗い」または「中間」にしてライブを開始し、「合わせる量」「変形のなめらかさ」「合わせ先からのオフセット」で大まかな形を整えます。
  3. 必要に応じて「細かい」「高精細」へ上げ、ディテールの歪みや近接部分の巻き込みを確認して確定します。その後、Painterでベイク結果を確認します。
フィット精度の中間を使ってハイポリとローポリの形を合わせる例
ベイク前の形合わせの例。画像は英語UIで、Medium=「中間」、Alignment Amount=「合わせる量」、Shape Smoothness=「変形のなめらかさ」です。クリックで原寸画像を開きます。

ここでいうケージは、形を動かすためのShellFit内部の格子です。元のメッシュの細かさを保ったまま全体を変形します。Painterのベイク用ケージが必要な場合は、ベイク工程で別途用意してください。仕上げに細部の歪みや突き抜けを確認し、残った箇所は MAX や手動編集で整えましょう。10万という規模は負荷が大きくなる一例です。重く感じたら精度を下げて試してください。操作の軽さはモデル・設定・PC環境によって変わります。

ラフ合わせの調整

「フィット精度」で粗い/中間/細かい/高精細を選ぶとラフ合わせ方式になります。この4つの精度がラフ合わせの入口です。「合わせる量」「変形のなめらかさ」「合わせ先からのオフセット」「合わせ先の編集に追従」「代表点の探索距離」を調整し、「再計算」で更新します。格子の変位を元メッシュへ加える広域の形合わせです。

この方式は、凹凸を記録する法線マップのベイク前など、大まかな形を合わせたい場面に向いています。細かな貫通、メッシュ同士の交差、部品の厚みまで整える段階では MAX や手動編集へ進みましょう。ラフ合わせはその細かな補正を省いて計算を軽くしています。近くの部品が一緒に動くときは範囲マスクで対象を絞ってください。固定・保護・非表示にした点はその位置に残せます。

表面フィット

フィットの種類と自動判定

シェル は表面への押し戻し、ソリッド は閉じた厚みを持つ対象の内外関係、自動 は対象の構造を見てシェル / ソリッド / 混合を判定します。ライブ中には 判定: シェル判定: ソリッド判定: 併用(シェル+ソリッド) のように表示されます。

ライブ中の主な設定

  • クリアランス: 肌と服の間に残す余白です。初期値は0.001ですが、自動計測を使った場合はモデルに合わせた値になります。浮かせたいときは増やし、離れすぎたら下げましょう。負の値は面を少し越える方向です。
  • 強さ: 体に埋もれた部分を押し戻す量です。通常は1.0から始め、弱くしたければ下げます。上げると押し戻しが強くなるので、服が離れすぎていないか確認しましょう。
  • 探索半径: シェルの検索距離。ソリッドでは巻き付け距離として浮いた部分を対象へ寄せる距離になります。
  • 平滑化回数: 動いた部分と元の部分の境目をなじませる回数です。初期値4から、角張りが残るなら増やし、細部が丸まるなら減らしてみましょう。
  • 反復補正の回数 / 被覆補正の回数: 衣装が変形側のときに残った接触や肌の露出を追加補正します。
  • 先に剛体で合わせる: ソリッドで全体の移動・回転を先に試し、残りだけを変形します。
  • 効果範囲グループ / 反転: 頂点グループのウェイトで効果量をスケールします。既存の効果範囲グループが設定されているときに表示されます。固定点を新しく指定する場合は変形保護マスクを使ってください。空欄は全体、ウェイト 0 はその点を動かさず、1 は通常の効果量です。反転で塗った範囲を除外できます。変形保護マスクとは別機能です。

シェイプオプションと出力

Setup 時に自動計測 は開始値を自動設定します。基準側のソリッド化を無効化 はセットアップ中だけ対象の Solidify を無効にします。シェイプキー出力では指定名のキーを使い、同一名称は上書きする がオンなら同名キーを置き換え、オフなら番号付きの新しいキーを作成します。

メッシュに直接(破壊的) は変形をメッシュへ直接書き込みます。いずれの出力でも、実行前に保存または Undo ポイントを作ってください。

保存前にひと確認:既存のシェイプキーを残したいときは「同一名称は上書きする」をオフにします。直接メッシュへ確定する前にはファイルを保存してください。まずシェイプキーで比べてから、最終的な保存方法を決めると安心です。

隙間・裾・バッチ処理

複数衣装

衣装を 変形側 にし、+ で変形側の衣装リストへ複数のメッシュオブジェクトを登録できます。登録した衣装をまとめてフィット を有効にして処理に含めるを選ぶと、表面フィットのライブ・確定・ライブ補正の解除の対象にできます。スカート、ベルト、アクセサリーなど、オブジェクトが分かれている同じ区画をまとめて確認したい場合に便利です。

品質を優先する使い方:部品によって、残したい隙間や厚みは違います。全身を一度に仕上げるより、まず主衣装欄に1つ指定し、「登録した衣装をまとめてフィット」をオフにして、その部品に合う数値を丁寧に調整します。確定または中止してから次の衣装へ切り替えてください。スカート・ベルト・アクセサリーなど、同じ区画の分かれた部品をまとめてフィットしたい場合に複数登録を使います。設定は共通なので、結果を見て個別に仕上げます。

1つずつ調整するときのコツ:主衣装欄のオブジェクトは常に含まれます。追加行の「処理に含める」チェックは、その追加行だけの対象指定です。追加行を1行だけチェックした場合も、主衣装とその1行の両方が対象です。1つだけ調整したいときは、そのオブジェクトを主衣装に指定し、一括フィットをオフにしましょう。登録・チェック・割り当てを変える前にライブを確定または中止します。

複数の衣装オブジェクトを登録した Deform 側のリスト
スカートや装飾など、複数の衣装オブジェクトを変形側へ登録した例。

隙間を詰める

服が体から浮いている部分を寄せたいときに使います。衣装を変形側にし、フィットの種類がソリッド以外の場合、隙間を詰める を有効にすると隙間を閉じる補正をライブで行います。ソリッドでは 巻き付け距離 が同じ役割を持つため、通常の隙間を詰めてフィットボタンを使います。

  • 隙間を詰める強さ: 体から浮いた服をどれだけ引き寄せるかを調整します。密着させるなら上げ、ゆとりを残すなら下げてみましょう。0%でも、体に埋もれた部分を押し戻す補正は働きます。
  • 厚みを保持: 内外の厚みを保ちながら閉じ、厚み保持量と厚みの探索範囲で調整。100%は検出した厚みを保持、50%は半分、0%またはオフは内外面をボディ表面へ寄せます。0%では厚みが失われるため、厚み付きパーツを保つなら100%から試してください。
  • 円筒の中央だけがへこむ場合: 厚みの探索範囲を0(自動)にしてフィットし直します。閉じた厚み付きパーツでは、縁などで検出した厚みも探索に使い、細かく分割された中央の内面を再確認します。手動の探索範囲が実際の厚みより小さいと、厚みを検出できません。元からある凹凸を平らにする機能ではありません。
  • 引き寄せ距離を自動計測 / 引き寄せ距離: どの距離まで離れた部分を引き寄せるかを決めます。まず自動計測を使い、離れた別の部分まで動くときは手動の距離を小さくして範囲を絞りましょう。
  • 裾の広がりを保持(自動) / 裾の保持量: スカートの裾が脚に吸い寄せられて狭くなるときに使います。保持量を上げると裾の広がりを残す方向に働きます。
  • 装飾の形を自動保持: 布を先に合わせ、小さな独立パーツを布の移動・回転に追従させて形を保ちます。布と頂点がつながった装飾や、追従先になる布が見つからない部品は、この独立パーツ向け補正の対象外です。その部分は保護マスクやラティスで形を整えましょう。

用途別プリセットは 靴下・体に密着衣装・スカートの裾リングゆったり・形状を保持 です。プリセットを選び、ライブ開始後に結果を確認しながら調整してください。

「衣装・スカートの裾」は裾の保持量70%、「ゆったり・形状を保持」は隙間を詰める強さ30%・裾の保持量100%を出発点にします。プリセットは設定を変更し、ライブ中は再計算へ反映されます。「厚みを保持」は既存の内外層の間隔を保つ機能で、薄い1枚の布に新しく厚みを付けたいときは、Blenderのソリッド化などで別途用意してください。

スカート裾の隙間を閉じる例
裾・スカートの隙間を閉じる例。

選択追従フィット

「襟の端だけを首へ寄せたい」「袖口を腕に合わせたい」ときに使います。選んだ場所を取り付け位置にして周囲も動かすので、服全体をやり直さずに部分調整できます。

「選択ジオメトリー → 選択追従フィット」で、選択した頂点・辺・面を基準側へ合わせ、周囲を追従させます。初期状態は衣装をボディへ合わせますが、基準側ボタンを押すと変形側を入れ替えられます。

  1. 変形側と基準側に別のメッシュを指定します。「編集モードに切り替える」で変形側を編集し、合わせたい頂点・辺・面を選択します。
  2. 「フィット方式」を選び、ライブ調整を押します。ライブ中に「表面からの距離」「フィット量」や追従設定を調整します。
  3. 確定で共通の焼き込み先へ保存し、キャンセルでプレビューを取り消します。ライブ設定は Ctrl+Z / Ctrl+Shift+Z で戻せます。

ライブ中に変形側を切り替えるには、新しい変形側にも編集モードの頂点選択が必要です。ラティス調整中は先にラティスを終了してください。別の操作でメッシュ・選択・モードを変更すると、ライブは停止してその編集結果を保護します。この場合は変更前への自動復元ができないことがあるため、続けて別の編集をする前に、ライブを確定またはキャンセルしておきましょう。

高速取り付けと追従

高速取り付けが初期方式です。「接続した部品の形を保持」がオフなら、選択点の付着と周辺の曲がりを優先します。「プロポーショナル追従」の追従範囲には「接続のみ」「近接する頂点」「交差アイランド単位」があります。初期値は交差アイランド単位です。範囲0では選択部分だけが動き、強さは周囲の追従量を変えます。

接続した部品の形を保持をオンにすると、プロポーショナル追従より部品の形を優先します。距離制限を使わない移動・回転では形状・厚み・体積を保ちますが、選択点が表面に完全には付かない場合があります。距離に応じて動きを弱める部分は曲がるため、厚みや体積の変化も確認しましょう。高速取り付けは位置合わせを優先する方式です。肌の突き抜けまで補正したいときは、旧・精密フィットや表面フィットも使って仕上げます。

「投影の詳細」で基準側の面・辺・頂点、全体/選択のみ、最大距離を指定します。最大距離0は無制限です。保護マスクと非表示点も結果に影響します。

旧・精密フィット

「フィット方式」で旧・精密フィットを選ぶと詳細項目が表示されます。同じページ内で方式を切り替えて使います。「接続した部品の形を保持」を有効にすると周辺の形状保持・接触補正を調整できます。標準、Green ラティス(実験)、Volume Controls(実験)を選べ、数値の変更に数秒以上かかる場合があります。大まかな位置を決める間は高速取り付けを使い、細かく仕上げる段階で切り替えると作業を進めやすくなります。

ラティスによる仕上げ

裾のふくらみや袖の曲がりをまとめて直したいときは、モデルを囲む格子の点を動かしてみましょう。格子に包まれた部分が一緒に動くので、細かい頂点を一つずつ選ぶ手間を減らせます。ここでの「アイランド」は、頂点がつながったひとまとまりの部品を指します。

選択追従フィットを確定またはキャンセルしてからラティスを開きます。現在の形から直接開始することもできます。「フィット先の範囲」で全体・アイランドごと・選択中のコンポーネント・交差アイランド単位を選び、調整ラティスを作成を押します。交差アイランド単位は交差する部品をまとめ、近いだけの別部品はまとめません。

  1. ラティスの点を編集で制御点を選び、Gで動かして形を調整します。
  2. 基準側へ合わせる場合は制御点を選び、ラティスをライブフィットを実行します。「曲げる」は周囲を曲げ、「曲げない」は形と大きさを保って移動・回転します。ライブフィットは各ラティス512制御点以下で使用します。
  3. ラティスフィットを確定は制御点のフィットを保持してライブを終了し、ラティス自体は残します。さらに手動調整できます。
  4. 作成後に範囲や「フィットした選択部分も動かす」を変えたら、ラティス範囲を更新を押します。それまでの変形を保持し、ライブフィット中ならその結果を保ってプレビューを終了します。
  5. 最終的にラティスの変形を確定するとメッシュへ直接反映してラティスを解除します。ここは共通の「新規シェイプキー」を選んでいてもメッシュへ直接反映する操作です。元の形を別に残すには、確定前にファイルを保存しておきましょう。確定する前に取り消す場合はラティスによる調整を取り消すを使います。

既存シェイプキーやバインドの条件に応じて標準ラティスを使います。互換性のある cvELD Lattice が有効なら外部ラティスを利用できます。トポロジー変更やラティスの消失時は表示された復旧案内に従ってください。「強制解除(メッシュ編集を保持)」は、既に行ったメッシュ編集を残して作業状態を解除する復旧用です。表示中のラティス変形を仕上がりとして保存したいときは、通常の「ラティスの変形を確定」を使ってください。

バルジ

膨らませる場所を選ぶ

球を重ねた平面の変形前と接触境界バルジの比較
Blenderで計算した比較。左は変形前、右は押し込みと接触外周の盛り上がり。オレンジの線は参照球です。

場所の決め方で、膨らませる場所をどう指定するか選びます。「触れている範囲から」と「物体を近づけてへこませる」は別のモードです。どちらも上の「基準」欄の1つだけを使います。

選択肢何をもとに作るか使う場面
衣服のふちから袖口・ウエストなどの開口部衣服のふちが肌に食い込む表現。旧「衣服の縁・互換」です。
触れている範囲から基準の物体と体が触れる範囲衣装などとの接触範囲を調べ、幅・高さ・押し込み方を自分で調整する方法。旧「接触境界」です。
物体を近づけてへこませる押し当てる物体の表面球・箱などの形に沿うへこみと周囲の盛り上がり。開始時に寸法を自動設定します。
自分で場所を指定自分で置いた線、または頂点グループ自動判定が合わないときや、衣服とは別の位置に食い込みを作りたいとき。旧「ガイド」です。

触れている範囲から作る

触れている範囲からは、基準の衣装などが体に触れる領域を調べ、その周りに膨らみを作ります。接触の判定・距離・押し込み深さ・膨らみの高さと幅を調整できます。調整済みの値は開始時に上書きしません。追加の参照物は廃止し、上の「基準」欄だけを使います。

物体を近づけてへこませる

物体を近づけてへこませる
自動設定で計算したBlenderの出力。左が変形前、右がプレビューです。
  1. 共通欄の「変形」に体、「基準」に押し当てる球や箱などを指定し、物体を近づけてへこませるを選びます。
  2. バルジを開始を押します。参照物の寸法と体の辺の間隔から、反応距離・へこみの上限・盛り上がりの高さと幅を自動設定します。プレビュー中にこのモードへ切り替えた場合も自動設定します。
  3. 物体を近づけるとへこみが生じ、重なった部分は物体の表面まで押し込み、その外側を盛り上げます。離すと戻ります。移動操作を確定すると更新されます。
  4. 必要に応じて数値を調整します。自動設定して効果を表示で数値を設定し直せます。スムースは周囲の盛り上がりに作用し、物体に沿わせたへこみを浅く戻しません。
  5. 確定で保存し、キャンセルで今回のプレビューを解除します。焼き込み先は共通設定と同じ値です。

元の頂点数は増やしません。粗い面や後段のSubdivisionにより、面の間や最終表示にずれが残る場合があります。細かい形を合わせる場合は、体の複製を細分化してから使ってください。へこみ上限や範囲制限も結果に影響します。

以前のバルジ属性が残っている場合:対応するモディファイアがなくても開始できます。残った属性は保持し、新しいプレビューには別の属性を使います。「確定」「キャンセル」は今回のプレビューを対象にします。

自分で場所を指定する(ガイドの使い方)

自分で場所を指定する(ガイドの使い方)
生成した輪と自動設定の例。線の近くをへこませ、その周りを膨らませます。

ガイドは「ここに食い込みを作りたい」と伝える目印の線です。線の近くをへこませ、その両側を膨らませます。衣服のふちが検出できない場合にも、自分で位置を決められます。衣服を移動したり、体を線の形に置き換えたりする機能ではありません。

例:ストッキングの履き口に食い込みを作る。体に沿う輪を履き口の位置に置きます。衣服の装飾やリボンの形に左右されず、輪で指定した場所に効果を付けたいときに使います。衣服は表示したままで構いませんが、この方法では衣服との接触を調べません。

  1. ボディを変形に指定し、場所の決め方 → 自分で場所を指定を選びます。
  2. オブジェクトモードで衣服の上端に輪を作るを押します。基準の衣服の最も高い位置で、体の断面に沿う輪を自動生成します。ストッキングなら左右の太ももに別々の輪を作ります。衣服の縁そのものを抽出する方法ではありません。
  3. 生成したShellFit Guideが自動で選択され、目印にする線のオブジェクトにも設定されます。頂点グループ欄は自動で空欄になります。位置が合わないときは作成直後にF9を押し、位置のずらし量輪の向きを調整します。向きはワールド座標のX・Y・Zです。
  4. 自動設定して効果を表示を押します。体のメッシュの細かさと線の大きさに合わせて幅・高さ・押し込み深さ・スムースを設定し、その場でプレビューを作成・更新します。体積の補償は0、自動の押し込みはオフになります。このボタンは調整済みの数値も上書きします。線は体の近くに置いてください。線の代わりに頂点グループを使う場合は、数値を調整して「バルジを開始」を使います。
  5. まず押し込みを自動計算をオフにし、押し込み深さで食い込み、膨らみの高さで盛り上がり、盛り上がりの幅で線からの広がりを調整します。線を移動すると場所も変わります。編集後に表示が変わらない場合は再計算してください。
  6. 仕上がったら確定します。線の指定だけを外すときは欄の×を押します。線自体は削除されず、現在の変形プレビューも残ります。変形を取り消すときはバルジをキャンセルを使います。

好きな高さに作る:3Dカーソルを希望する高さに置き、3Dカーソルの位置に輪を作るを押します。衣服を指定しなくても使えます。カーソルに最も近い片脚だけを選ぶ機能ではなく、その高さを通る閉じた断面すべてに輪を作ります。腕用ならF9で輪の向きを変更してください。

生成した輪は厚みのない編集可能なカーブです。編集モードで不要な輪を削除したり、点を調整したりできます。生成し直しても以前の線は削除しません。体や衣服の元メッシュも変更しません。穴や分岐のある断面は除外するため、作成できない場合は高さや向きを変えてください。体のシェイプキーを含むモディファイア前の形状に沿って生成します。

メッシュの辺も使えます:別のメッシュを編集モードにし、目印にしたい辺だけを選択してオブジェクトモードへ戻します。そのメッシュを線のオブジェクト欄に指定します。平面や球を丸ごと指定すると、その面との接触ではなく、選択されている辺が目印になります。物体を押し当てたい場合は「物体を近づけてへこませる」を使ってください。

頂点グループで指定する場合:ボディに範囲を塗った頂点グループを作り、「線の代わりに使う頂点グループ」で選びます。その範囲の周りに膨らみを作ります。グループを指定すると線より優先されます。別項目の「効果範囲グループ」は変形を許可する範囲を絞るためのもので、膨らませる場所そのものを作る項目ではありません。

線で指定する方法は衣服との接触や貫通を自動判定しません。衣服を表示して重なりを確認しながら、高さと深さを調整してください。

診断と制限:接触なし、接触が小さすぎる、外周なし、接触側が不明確、ウェイト全除外を区別します。小さな参照物が大きい面の内部にある場合は細分化した複製を使ってください。元の頂点数は変更しません。新たな貫通の制限は頂点と影響面の中心を調べ、開始時より悪化する変位を抑えます。全三角形の交差・自己交差を完全に除去する保証ではありません。別の面へ飛ばない辺グラフ距離を用いますが、粗い三角形では幅や境界に近似誤差があります。解析上限は対象30万頂点・60万三角形です。

対象は既存シェイプキーを含むモディファイア前の形状、参照物はレスト姿勢で評価した形状を使います。接触方式ではSolidifyの厚みを残します。オブジェクト移動やメッシュ編集でライブを更新し、参照物のモディファイア設定などを変えた場合はバルジを再計算してください。現在ポーズへの逆変換、Heat Method、任意の閉じていない形状の内外補完は行いません。

「衣服のふちから」の注意:ここでいう「ふち」は、ポリゴンの面が途切れた、閉じていないメッシュの縁です。見た目の縫い目・折り返し・段差を自動で見分ける機能ではありません。Solidify(厚み付け)を適用して表裏と側面がつながると、見た目に履き口があってもメッシュの縁は閉じているため、そのままでは検出できない場合があります。検出できないときは厚みを付ける前の衣装の複製を基準にするか、「触れている範囲から」「自分で場所を指定」を使ってください。元の衣装から厚みを削除する必要はありません。

厚み付きでも使える場合:未適用のSolidifyモディファイアは、計算中だけ一時的に無効にして元の縁を調べます。適用済みでも、表裏の頂点・面と側面の対応が残る一部の薄い衣装は、計算用の表面から開口部を復元できます。リメッシュした衣装など、すべての閉じたメッシュに対応するわけではありません。元メッシュ・UV・厚みは変更しません。「使用可能なリングまたは衣服の開口部が見つかりませんでした」は、焼き込み先ではなく基準メッシュの構造に関するエラーです。

ニーハイソックスを基準に、太ももの盛り上がりをプリセットで調整する実演です。

バルジに効果がないとき:変形した頂点がない場合は、変形側・基準側、巻き付け距離、効果範囲グループの確認を促す助言を表示します。靴下なら体を変形側、靴下を基準にします。体から離れたスカートの裾には接触によるバルジが届かない場合があるため、裾のフィット感には「スカートの開きを保持」を使ってください。

ベルトや靴下のゴムが肌にキュッと食い込む感じを付けたいときに使います。縁の溝と、その周りのむにっとした盛り上がりを別々に調整して、締め付けの強さを表現しましょう。

「指定オブジェクト → バルジ」で、リング・ベルト・靴下の履き口が食い込む溝と周囲の膨らみを作ります。通常はボディが変形側、衣装が基準側です。役割ボタンで反転もできます。表面フィットのライブを確定または中止してから、このページへ切り替えてください。

  1. ボディを「変形」、衣装を「基準」にします。パネル上部のオブジェクト指定の下、Surface Fit/Squeeze Bulge切り替えの上にある共通の焼き込み先(Bake To)を選び、バルジを開始を押します。通常は「新規シェイプキー」を選びます。焼き込み先は確定時の保存方法であり、開口部の検出条件には影響しません。衣装の縁やリングの寸法から開始値を計算します。
  2. 形状で「控えめ/標準/強め/狭い範囲」のプリセットを選び、盛り上がり量・締め付け量・上下の偏り・広がりを調整します。三角メッシュなどで凸凹が目立つときはスムース量を上げ、必要に応じて平滑化回数を増やします。元のボディではなくバルジの変形だけをならし、量を0にすると従来の結果に戻ります。頂点は増やさず、強くかけると溝や膨らみも弱まるため接触を確認してください。プリセットとスムースの変更はプレビューへ反映されます。
  3. 範囲でクリアランス・巻き付け距離・近接する反対側の脚の除外・効果範囲グループを調整します。
  4. 確定を押すと、共通の焼き込み先とシェイプキー名を使って結果を焼き込み、ライブ変形を終了します。バルジをキャンセルは今回のバルジを解除します。

調整項目は「形状」と「範囲」の2ページに分かれています。「形状」で締め付けの見た目を決め、「範囲」でどこまで影響させるかを絞ると進めやすくなります。計算の基準はモディファイアを除いた元の形です。仕上げにはモディファイア込みの見た目も確認し、肌が飛び出す部分や薄い部品が潰れる部分を整えましょう。

履き口の溝と周囲の盛り上がりの例。

調整の順番:まずプリセットで大まかな強さを決め、「締め付け量」で溝の深さ、「盛り上がり量」で周りの膨らみを整えましょう。「広がり」は縁からどこまで膨らませるか、「上下の偏り」はどちら側へ膨らみを寄せるかを調整します。遠くまで膨らんだら広がりを下げ、溝が深すぎたら締め付け量を下げてみてください。

1.3.1: ほぼ平らな閉じた履き口では、折り返した縁の面が上向きでも、履き口の形から接触方向を補正します。これにより、一部だけに効果がかかって尖る問題を軽減します。ほぼ重なった縫い目状の細い切れ目は、履き口として扱いません。メッシュの溶接や頂点の追加は行わず、曲がった裾や開いた辺列は従来の局所的な計算を使います。元メッシュの頂点が少ない場合の角ばりや、最終形状の貫通をすべて解消する機能ではありません。

Quick Shell fit

選んで、すぐフィット。必要ならデータもコピー。 QuickShellFitは、選択した点をいろいろな場所へ手軽に合わせるツールです。衣装の一部分や小物の接点など、合わせたいところを選び、相手の面・辺・頂点へその場でフィットできます。メッシュではウェイトやシェイプキーのコピーも併用でき、位置合わせとデータ転送をまとめて進められます。全体を仕上げる表面フィットとは別に、日々のちょっとした調整に活用してください。

編集モードで点を選び、標準ショートカット CtrlShift1(キーボード上段の1)でパイメニューを開きます。「面」「辺」「頂点」などを選んですぐフィットするか、「QuickShellFit 設定」で条件を調整します。ショートカットを変更している場合は、ご自身の設定を使ってください。

QuickShellFit pie menu
標準は Ctrl+Shift+1。パイメニューから手軽にフィットできます。画像は英語UIです(Surface=面、Edge=辺、Vertex=頂点)。クリックで原寸画像を開きます。

Quick Shell fit選択ジオメトリー ワークフローのページです。メッシュの編集モードの頂点、またはカーブの編集モードの制御点を対象にします。実行ボタンは QuickShellFitを実行 です。Ctrl+Shift+1cvELD QuickShellFit のパイメニューを開きます(メッシュ/カーブの編集モード)。右クリックメニューや編集モードメニューからも利用できます。

手袋・靴下の局所フィット(開発版)

大まかに位置が合った衣装の指先・指の間・かかとを部分修正するときは、フィット方式を局所フィットにします。メッシュの編集モードで衣装の頂点を選択し、固定するボディを指定して局所フィットをプレビューを押します。ボディ欄が空なら共通設定のボディを使います。手袋・五本指靴下は指に沿わせる、普通の靴下・ミトンはまとめて包むを選びます。まとめて包むでは、選択付近の参照面から一時的な凸状の包絡面を作るため、一度に選ぶ範囲は指先などの局所に絞ってください。

シアンの結果ワイヤーと赤橙色の未解決頂点を確認し、表面との隙間・フィット量・形状保持・周囲への影響範囲を調整します。パネルの確定/キャンセルで終了し、Escでもキャンセルできます。数値入力のEnterでは確定しません。プレビュー中は元メッシュを動かさず、設定やボディの変更時に再計算します。確定後はUndoとF9で調整できます。

影響範囲0は選択頂点だけを動かします。周囲への影響はメッシュの接続に沿って減衰し、非表示・完全保護の頂点は固定です。参照面を限定する場合は、ボディと衣装を複数オブジェクトの編集モードにし、ボディの参照面を選択して衣装をアクティブにします。局所フィットは1つの単独使用メッシュの衣装を動かします。データ転送・厚み保持・装飾追従は同時実行しません。頂点や面を追加せず、新しい指袋は作りません。交差や面の潰れが増える移動を抑えますが、元からの貫通や自己交差を必ず解消する機能ではありません。未解決が残る場合は選択を小さくし、参照面を限定するか手動で調整してください。

スナップとプリセット

複数メッシュの編集モードで「表示中のメッシュ」を使い、「選択部分どうしをフィット」がOFFの場合、独立した有効な参照先がなければアクティブなメッシュだけを動かし、他の編集メッシュを固定の参照先にします。別の有効な参照メッシュがある場合は、従来どおり複数の移動元をその参照先へ合わせます。常にアクティブ側だけを動かす場合は「選択中のメッシュ」を選びます。

  • ターゲットは表示中のメッシュ、指定オブジェクト、選択中のメッシュ。指定オブジェクトはスポイトでも指定できます。
  • 吸着先の要素は面 / 辺 / 頂点、投影は最近接点 / 元の法線方向へ投影。
  • 方向フィルター、法線の表裏、表面からの距離、探索距離の上限、吸着の強さ、周辺への影響、近くの候補を追加を設定できます。
  • フィットプリセットはカスタム / 浮かせる(+3 mm)/ めり込む(-3 mm)/ ぴったり(0)。シーン単位を考慮し、設定を変えるだけで実際の移動は実行時に行います。
  • プロポーショナル追従はメッシュで利用でき、部品の形を保持、厚みを保持、厚みの探索上限も選べます。

プレビューと便利な操作

吸着先をプレビュー はシアンの移動線とオレンジのサンプルを表示します。Enter またはクリックで確定、Esc でキャンセルします。隙間をドラッグ調整 はターゲット法線方向の距離を水平ドラッグで調整し、Shift で精密移動、クリックで確定、Esc で復元します。

見つからない点を強制フィット は通常の距離・方向・投影制限に合う点がない場合だけ、最近傍ターゲットへ強制的に合わせます。途中にある面を避ける処理はないため、裏側へ飛ぶときはこの設定をオフにし、相手と距離を絞ってください。装飾を服に追従 は同一メッシュ内の小さな切断部品を追従させます。この操作で追従するのは位置です。飾りの角度や大きさ、別オブジェクトの取り付けも調整したいときは、回転・拡縮やオブジェクトの編集を併用しましょう。

複数メッシュの相互フィット

「見つからない点を強制フィット」と「選択部分どうしをフィット」は初期状態でオンです。距離上限を守りたい場合は強制フィットをオフにしてください。相互フィットはターゲットが「表示中のメッシュ」または「選択中のメッシュ」で、複数の編集対象に選択点があるときに働きます。相手を固定した通常のスナップにする場合は、相互フィットをオフにします。

選択部分どうしをフィット を有効にすると、複数の編集対象メッシュを相互に合わせます。F9 で A側 / B側 / 中間 を選べ、A はアクティブ、中間は対応点の平均位置です。1 対 1 で元のワールド位置を基準にし、対応しない点は残ります。ここでは位置を合わせます。頂点同士をつないだ1枚のメッシュに仕上げたい場合は、確認後にBlenderの結合・マージなどでつなぎましょう。相互フィットでは表面からの距離、方向フィルター、投影設定は使わず、探索距離の上限・強さ・固定ウェイト・周辺への影響を使います。

データコピー

フィットと一緒にコピーする場合は「ウェイトをコピー」「シェイプキーをコピー」を有効にします。形を動かさずコピーだけしたい場合は、右クリックの「cvELD QuickShellFit → アドバンス」から「ウェイトだけをコピー」「シェイプキーだけをコピー」「ウェイトとシェイプだけをコピー」を選びます。コピー元の対応点が見つかることと、転送できるデータがあることが必要です。

QuickShellFit context menu and data copy actions
右クリックメニューと設定パネルからも利用できます。Advanced は「アドバンス」、Copy Weights Only は「ウェイトだけをコピー」、Copy Shape Keys Only は「シェイプキーだけをコピー」です。クリックで原寸画像を開きます。

データ転送の基本項目はウェイト・シェイプキー・カスタム法線です。「アドバンス」を開くと、UVマップ、カラー属性、シーム/シャープ辺、クリース/ベベルウェイト、面のスムーズ設定、名前付きの数値・真偽値属性、Armatureのコピーを設定できます。追加項目は初期状態でOFFです。

カスタム法線とUVは面の角ごとに補間します。辺と面の属性は全頂点が転送範囲内にある場合だけ変更し、未選択の角や範囲外の要素は保持します。同名属性の型・保存先が違う場合は警告してスキップします。内部属性やマテリアル割り当ては転送しません。近接した複数の面では参照面の向きと面内方向で対応を選ぶ近似なので、複雑な継ぎ目は結果を確認してください。「データだけをコピー」で位置を変えずに転送でき、頂点数の違う境界にも対応します。

ウェイトをコピー / シェイプキーをコピー は実際にフィットした選択点だけへ、面の三角形または辺の端点から補間してコピーします。周辺への影響だけで動いた点にもコピーしたいときは、その点を直接選択してコピーを実行してください。ウェイトは対象点の所属を置き換え、シェイプキーは非ゼロの相対オフセットだけを追加し、他のキーは保持します。シェイプキーをコピーするときは Basis(基本の形)を編集対象にします。絶対シェイプキーやロック中のキーでは処理が止まるため、相対シェイプキーを使い、必要なキーのロックを確認してから実行しましょう。

Armatureもコピー はウェイトコピーと併用し、優勢なドナーからモディファイアを追加します。同じリグのモディファイアは重複追加や上書きをせず、既存の設定を残します。リグへの親子付けやアニメーションドライバーが必要な場合は、Blender側で別途設定してください。

境界でフィット:衣装の隙間を埋める

衣装パーツの境界同士を合わせ、隙間を整えたいときに使います。各メッシュの編集モードで対応する境界ループまたは一続きの境界辺を選び、境界でフィット(Boundary Loop Fit)を実行します。参照A/Bが未指定なら現在の選択から自動設定します。頂点数が異なる境界は、接続順と境界上の距離を使って相手の辺の途中へ補間します。開いた辺列と閉じたループの組み合わせも警告付きで近似します。元の頂点・辺・面と閉じる辺を保つため、これはオブジェクト間の溶接ではなく、分割数の違いによる小さな隙間が残る場合があります。

境界でフィットのBefore・After説明図。左から右への矢印で変化を示す
左が実行前、右が境界でフィットした後。衣装パーツ間の隙間を埋める用途を示した、提供スクリーンショットをもとにしたAI編集の説明図です。メッシュの細部は元画像と異なるため、正確な実行結果は元画像をご覧ください。 元画像:Before / After

データ転送・変形保護

データ転送 — BodyからClothへコピー

指定オブジェクト の表面フィットにある折りたたみ式 データ転送 パネルで、フィット後のボディから衣装へデータを転送できます。パネル内の表示は BodyからClothへコピー、実行ボタンは BodyのデータをClothへコピー です。ボディの移動方向に依存せず、ウェイトをコピーシェイプキーをコピーカスタム法線をコピーを選べます。UVなどの追加属性とArmatureはパネル内の「アドバンス」にあります。

  • 「コピーの補間方法」は面で補間、辺で補間、最寄り頂点です。
  • コピー範囲グループは衣装側の頂点グループ。空欄は非表示頂点を除く範囲、名前を指定すると正のウェイトを持つ範囲です。
  • 焼き込み後のフィット位置を基準にコピーします。データ転送パネルはライブ中には表示されないため、先に確定してライブを終了してください。
  • 新しいシェイプキーの初期値は 0。既存値とアクティブキーは保ち、ドライバー・アニメーションはコピーしません。同じリグの既存モディファイアも保持します。

転送先は主衣装欄の1オブジェクトです。複数の衣装へコピーしたいときは、主衣装を1つずつ切り替えて転送しましょう。転送はボタンを押したときだけ実行されるので、セットアップや再計算のたびにデータが書き換わることはありません。複数オブジェクトで同じメッシュデータを共有している場合は、その衣装用にデータを独立させてください。ボディの頂点・面の構成を変えてコピー元との対応が崩れた場合も処理が止まるため、対応関係を整えてからやり直します。オブジェクトモードとメッシュの編集モードに対応し、操作後はモードと選択を復元します。

変形保護マスク

袖のふくらみや飾りなど、「ここは今の形のまま残したい」という場所を塗って守る機能です。動かしてよい部分との境目をなめらかに塗ると、固定した部分の周囲もなじませやすくなります。

変形保護マスク パネルは、ウェイトペイントで変形から除外する頂点を指定するマスクです。通常はウェイト1が固定、未割り当てとウェイト0が通常変形です。0〜1の中間値は変形量を徐々に弱めます。反転 は塗った値を変更せず効果だけを反転します(ウェイト0が固定、ウェイト1が通常変形)。このマスクは表面フィット、選択追従フィット、Quick Shell fit の出力に反映されます。

Weight Paint で ShellFit の保護マスクを塗り、変形から除外する例
左:対象の選択、中央:ウェイトペイント、右:保護した頂点を変形から除外した結果。赤く塗った部分を残し、動かしたい部分との境目を中間のウェイトでなじませる使い方です。

編集モードでは「選択を固定(1)」「選択の固定を解除(0)」「スムース」を使います。「マスクを塗る」でウェイトペイントに入り、パネル見出しのチェックマーク(塗り終わり)で終了します。ペイント中はフィット更新を待機し、終了時に反映します。見出しのゴミ箱は「保護マスクを削除」です。選択追従フィットのライブ中は、先に確定またはキャンセルしてください。対象には、そのオブジェクト専用の編集可能なメッシュデータを使います(単一ユーザー)。同じデータを使う複製がある場合は、データを独立させてから塗りましょう。

効果範囲グループ は処理範囲と効果量を制限し、変形保護マスクは固定点を指定します。両方を併用できますが、別々に管理します。

設定値一覧

「少し浮かせたい」「周囲が動きすぎる」など、気になる見た目から項目を探してみましょう。初期値は出発点です。自動計測やプリセットで変わる項目もあるので、まず画面に入っている値を確認し、1つずつ動かすと効果をつかみやすくなります。

距離は Blender のシーン単位です。表示される項目は指定オブジェクト / 選択ジオメトリー、フィット精度、フィットの種類、変形側 / 基準側により変わります。

項目範囲・初期値内容
変形側 / 基準側ボディ / 衣装の役割ボタン変形側が実際に変形し、基準側を基準にします。 服を動かすか、肌を動かすかを最初に決めます。意図と逆に動いたら役割を見直しましょう。
フィットの種類自動 / シェル / ソリッド
初期値自動
薄い表面、厚い閉じた形状、自動判定。 迷ったら自動から始め、薄い布はシェル、厚みのある閉じた部品はソリッドを試します。
クリアランス初期値 0.001基準面から残す距離。 まず自動計測された値で見て、表面に余白を残したければ増やします。浮きすぎるときは小さくしましょう。
強さ0.0–5.0、初期値 1.0シェルの押し戻し量。 まず1.0から確認します。弱めると押し戻す量が減り、強めると増えます。離れすぎるときは下げてください。
探索半径 / 巻き付け距離0 以上、初期値 0.03シェルの検索距離、またはソリッドの包み込み距離。 離れた場所まで探したいときに広げます。近くの別部品を拾うときは小さくしてみましょう。
平滑化回数0–32、初期値 4境界の平滑化回数。 補正部分の境目が角張るときに増やします。細かい形が丸まりすぎるときは減らしてください。
反復補正の回数 / 被覆補正の回数0–10、初期値 3 / 4衣装が変形側のときの追加補正。 初期値3 / 4から確認し、残る接触や肌の露出に合わせて増やします。回数を上げるほど再計算に時間がかかります。
隙間を詰めるオフが初期値隙間を閉じる。衣装が変形側、かつソリッド以外で表示。 体から浮いている布を寄せたいときにオンにします。ゆとりを残す場合は、隙間を詰める強さも下げて調整しましょう。
合わせる量 / 変形のなめらかさ / 合わせ先からのオフセット0–1 / 0–1 / 制限なし
初期値 1 / 0.35 / 0
ラフ合わせの広域変位を調整。 合わせる量を下げると元の形へ近づきます。なめらかさを上げると広くなじみ、細かな曲がりが弱まることがあります。オフセットは基準面からの距離を調整します。まず1 / 0.35 / 0から試しましょう。
合わせ先の編集に追従 / 代表点の探索距離オン / 0(無制限)が初期値ターゲット編集への追従と検索範囲。 基準側も編集するならオンのまま使います。離れた面へ寄りすぎるときは、0(無制限)から必要な探索距離へ絞ります。
シェイプキー名初期値 ShellFitシェイプキー出力名。メッシュ出力では無視。 結果を見分けやすい名前を付けましょう。同名キーを残すには「同一名称は上書きする」をオフにします。
フィット量 / 範囲1.0 / 0.1 が初期値選択追従フィットの付着量と周囲の追従範囲。 フィット量を下げると選択部分の移動が弱くなります。周囲までなじませたいときは範囲を広げ、関係ない場所が動くときは狭めます。範囲0なら選択部分だけです。
盛り上がり量 / 上下の偏り / 広がり1.0 / 0.3 / 1.5 が初期値独立バルジのプロパティ初期値。実際の開始値はプリセットから自動設定されます。 プリセットから始め、盛り上がり量で膨らみ、上下の偏りで偏る側、広がりで縁からの届く範囲を調整します。遠くまで膨らむときは広がりを下げましょう。
変形保護マスクShellFit_Protectウェイトペイントのウェイトで変形から除外。反転で効果を反転。 1で固定、0で通常の変形、中間値で少しずつ動かせます。固定範囲が広すぎるときはウェイトを下げ、境目をなじませます。
Setup 時に自動計測オンが初期値セットアップ時の開始値自動設定。 初めてのモデルではオンから始めましょう。手動で決めた開始値を使うときはオフにします。
基準側のソリッド化を無効化オンが初期値セットアップ中だけ対象 Solidify を無効化。 ソリッド化で付いた厚みを一時的に除いて基準を取る設定です。厚みを含めた形へ合わせたい場合はオフの結果と比べてください。

困ったとき

密着部分とゆとりのある部分・重ね着の調整

密着させる箇所は「隙間を詰める」で引き寄せ、ゆとりを残す箇所は引き寄せ量を下げてボディへの貫通を補正します。引き寄せ量が0%でも貫通補正は働きます。スカートでは「裾の広がりを保持」も調整してください。密着させる意図は自動判別されないため、衣装や部位ごとに分けて調整します。一括処理は設定を共有するので、下着と上着など仕上がりの異なる衣装は別々に調整してください。

重ね着の仕上げでは、肌と服だけでなく、下着と上着など衣装同士も見比べましょう。衣装同士の衝突は自動で解消されないため、残った重なりはラティスや手動編集で離します。また、完全に固定した点は貫通補正でも動きません。ゆとりを残したいだけなら、固定マスクより引き寄せ量を下げる方法から試してください。最後に角度を変えて見回し、隠れた突き抜けも確認すると仕上げやすくなります。

症状確認すること
ボディ / 衣装を指定できない① ボディと衣装に別々のメッシュを選んでいるか確認しましょう。② 編集できるオブジェクトか確認します。③ 複製とメッシュデータを共有している場合は、対象用にデータを独立させます(単一ユーザー)。
貫通頂点数が 0、または結果が見えない①「動くのは」が意図したオブジェクトか確認します。② フィットの種類と、肌・衣装が実際に重なる場所を見直しましょう。③ 探索半径を確認し、効果範囲グループを使っているならウェイトのある範囲も確認します。
ラフ合わせが細かい貫通を直さないラフ合わせは全体の輪郭を寄せる段階で使います。小さな突き抜けの仕上げには MAX を選びましょう。穴のないボディの内外を基準に合わせるなら、利用条件を満たす環境で SDFグリッドも使えます。
SDF がグレーアウトしている① Blender 5.2以降か確認します。② 衣装を変形側(クロスが動く)にします。③ ボディの穴と法線の向きを確認してください。4.5などSDFが使えない環境では、MAXやラフ合わせで続けましょう。
選択追従フィットが開始できない① 変形側のメッシュを編集モードにします。② 合わせたい頂点・辺・面を選びます。③ 基準側に別のメッシュを指定してから、ライブ調整を押しましょう。
Quick Shell fit で対応点がない① ターゲット範囲と吸着先の要素を確認します。② 方向と探索距離の上限を見直しましょう。③ それでも相手が見つからず、近い相手へ寄せたい場合は「見つからない点を強制フィット」を試します。別の面へ飛ぶときはオフにして範囲を絞ってください。
計算が遅いまず「粗い」や「中間」で位置を決めてみましょう。効果範囲グループや選択で対象を絞る方法もあります。MAX・SDFや高密度モデルでは時間がかかるので、精密な補正は大まかな調整の後に行うと進めやすくなります。
焼き込み結果が見えない① 保存されたシェイプキーの値を確認します。② 他のキーの影響を見ます。③ モディファイアの順序を確認しましょう。「メッシュに直接(破壊的)」でやり直す前には、ファイルを保存し、Undoで戻せる段階も確認してください。

ここまで試しても解決しないときは、Blenderの正確なバージョン、OS、GPU、頂点数、設定値、問題が起きるまでの操作、エラー全文を添えてご相談ください。どこで困ったかが分かる画面もあると、状況を確認しやすくなります。

変更履歴

未リリース

プリファレンス → 一般に「右クリックメニューに表示」を追加しました。オフにすると、メッシュ/カーブの編集モードの右クリックメニューからQuickShellFitを非表示にできます。初期値はオンで、変更は次にメニューを開いたときに反映されます。「プリファレンスを保存」で次回起動時にも設定を保持できます。

1.3.4 — バルジの生成方法と自動設定

「触れている範囲から」を維持し、「物体を近づけてへこませる」を独立した方法として追加しました。ガイドの自動生成・自動設定、変形のスムース、ガイド解除時の安定性、待機中の不要な再計算を改善しました。モディファイアのないバルジ属性が残っていても、データを保持して新しいプレビューを開始できます。追加の参照物は廃止し、共通の基準欄に一本化しました。

Windows x64・CPython 3.13では一部の数値処理に同梱ネイティブ版を使い、その他の対応環境ではPython版に戻ります。更新前に作業を保存し、プレビューを確定またはキャンセルしてください。ネイティブバイナリの更新時にはBlenderを再起動してください。

1.3.3 — 円筒の中央で失われる厚みを修正

埋まりチェックの説明を追加:Penetration Inspectorの色分け、開いたボディの未判定表示、変更監視、自動修正・手動調整の手順を記載しました。靴下・スカート・バルジの実演と、バルジが動かない場合の助言も説明しています。

細かく分割された閉じた厚み付きパーツで、縁の厚みは残るのに中央だけがへこむ問題を修正しました。自動探索では同じ閉じたパーツ内で検出した厚みも探索範囲に使い、実際の内面を再確認します。保護頂点、別パーツ、手動指定の探索範囲は維持します。

「厚みを保持」をオン、保持量100%、探索範囲0(自動)で再計算してください。50%は検出した厚みの半分、0%またはオフは内外面を表面へ寄せて厚みを失わせます。元からある凹凸を平らにする機能ではありません。Blender 4.5.0/5.2.1で円筒、Subdivision、Undo/Redoを検証し、5.2.1ではSDFと保存後の再計算も確認しました。開いた縫い目や負スケールには既存の制約が残ります。

更新手順:作業ファイルを保存し、未確定のフィットをキャンセルして1.3.3をインストールしてください。更新後にフィットし直して確認します。既存の確定済みシェイプキーは自動修復されません。販売ページ用HTMLを英語のみの本文に整理し、フルマニュアルは英日を維持しました。

1.3.2 — Mirror の継ぎ目を保護

表面フィットとバルジで、Mirror を使ったハーフメッシュの継ぎ目が開いたり、平面近くの頂点が押し込まれて余分に結合されたりする問題を修正しました。強さを変更しても保護を維持し、バルジの確定には保護後の変位を使います。ラフ合わせへの切り替え・再計算でも、変形方式と Mirror 設定を更新します。

更新手順:作業ファイルを保存し、未確定のフィットはキャンセルしてから 1.3.2 をインストールしてください。更新後に表面フィットまたはバルジを実行し直し、継ぎ目を確認します。既存の確定済みシェイプキーは自動修復しません。

Mirror の軸、結合距離、結合の有効状態、対象 Object、表示や構成を変えた場合も再計算が必要です。設定済み Mirror Object の移動・回転・拡縮は追従します。Push は Mirror と Armature より前で評価されます。以前のファイルで表面フィットとバルジが併存する場合は、バルジ → Push → Mirror の順序を使います。手動で逆順にして確定が止まった場合は、バルジを再計算して順序とプレビューを確認してください。

検証範囲:結合を有効にした 1 個の Mirror(X・Y・Z の組み合わせ、Mirror Object を含む)で、Mirror の前に別の変形処理を挟まない構成です。任意の角度の複数 Mirror、Bisect、全体の自己交差や貫通の解消は保証しません。Blender 4.5.0/5.2.1 で検証し、対応範囲は 4.5.0 以上・5.3.0 未満のままです。

1.3.1

  • 手袋・靴下の局所フィット:QuickShellFitに、選択部分を「指に沿わせる」「まとめて包む」局所フィットを追加しました。結果のワイヤーと未解決頂点をプレビューし、パネルから確定・キャンセルできます。元のトポロジーを保つ部分修正で、既存の貫通解消や厚み保持を保証するものではありません。
  • 参照先の自動設定と対象判定の修正:QuickShellFitの参照先・A/Bが未指定なら、実行時の選択から設定します。「表示中のメッシュ」で複数メッシュを編集中、相互フィットがOFFで別の有効な参照先がない場合は、アクティブ側だけを動かし、他の編集メッシュを固定の参照先にします。有効な参照があるのに「No valid target geometry」で停止するケースを修正しました。
  • 頂点数が異なる境界への対応:1.3.0の境界フィットを拡張し、頂点数が違っても境界上の距離に沿って相手の辺へ補間します。開いた辺列と閉じたループの組み合わせも警告付きで近似します。頂点・面の増減や溶接は行わないため、分割数の違いによる小さな隙間が残る場合があります。
  • カスタム法線と属性の転送:QuickShellFitとBodyからClothへのデータ転送にカスタム法線を追加しました。基本項目はウェイト・シェイプキー・カスタム法線の3つです。UV、カラー属性、シーム/シャープ辺、クリース/ベベルウェイト、面のスムーズ設定、名前付きの数値・真偽値属性、Armatureのコピーは、初期状態で閉じた「アドバンス」にまとめました。追加の転送項目は初期状態でOFFです。
  • ツール全般を登録できる複数Pieメニュー:QuickShellFitに加え、表面フィット、選択追従、ラティス、バルジ、データ転送、保護などのコマンドを登録できます。プリファレンスでPieの追加・複製・名前変更・削除、分類別のコマンド検索、8方向への配置、Pieごとのショートカット設定に対応しました。既存のPieとキー設定を引き継ぎ、新しいPieのキーは未割り当てで作成します。
  • 布厚・クリアランスの自動計測を修正:袖や靴下の空洞、離れたパーツ、局所的な折り返しを衣装全体の厚みと誤認しにくくしました。厚みが確認できない場合、辺の長さを厚みの代わりに使いません。ライブ変形による計測への影響を避け、ソリッドで貫通がない場合にも古いクリアランスが残らないようにしました。
  • モディファイアの警告と一括整理:表面フィット・バルジで、形状・厚み・メッシュ構造などに影響するモディファイアと未確定のライブ処理を確認できる表示を追加しました。「すべて適用/すべて破棄」は表示対象をまとめて処理し、サブディビジョンサーフェスとArmatureは対象外です。通常の警告だけではフィットを止めず、対象に競合する未確定ライブがある場合は確定・キャンセルを案内します。

バルジの局所的な尖りを修正

ほぼ平らな閉じた履き口では、折り返した縁の面が上向きでも、履き口の形から接触方向を補正します。これにより、一部だけに効果がかかって尖る問題を軽減します。ほぼ重なった縫い目状の細い切れ目は、履き口として扱いません。メッシュの溶接や頂点の追加は行わず、曲がった裾や開いた辺列は従来の局所的な計算を使います。元メッシュの頂点が少ない場合の角ばりや、最終形状の貫通をすべて解消する機能ではありません。

更新前にライブを確定またはキャンセルしてください。既存の確定済みシェイプキーは自動変更されないため、更新後にバルジを開始して結果を確認します。

1.3.0

  • QuickShellFitに「境界でフィット」を追加。衣装パーツの境界を合わせて隙間を整えられます。対応する境界は頂点数を揃え、両方とも閉じたループ、または開いた辺列を選んで使います。
  • UIの対応言語を10言語に拡充。Blenderの言語設定から切り替えられます。未翻訳の項目は英語で表示されます。
  • Blender 4.5.0以降に対応。4.5ではMAXやラフ合わせを利用できます。SDFグリッドは、Blender 5.2以降で必要なノードが使える場合に利用できます。
  • QuickShellFitのパイメニュー(標準 Ctrl+Shift+1)、ウェイト・シェイプキーのコピー、境界フィットを画像付きで紹介。Painterでのベイク前にハイポリをローポリへ合わせる活用例も追加しました。
  • 詳細マニュアルと簡易版の日英を改訂。用途から操作を選べる説明、数値を変えたときの見た目、調整のコツ、確定前後の戻し方を補足しました。

1.2.0

指定オブジェクト/選択ジオメトリーの導線、変形側・基準側の切り替え、選択追従、ラティスのライブフィットと範囲更新、変形保護マスク、複数衣装登録を説明。対応範囲は Blender 4.5.0以上・5.3.0未満。SDF非対応環境では保存設定を保持し、別の精度を選んで再計算する案内を表示します。

1.1.0

  • フィット精度に粗い / 中間 / 細かい / 高精細 / MAX を追加し、ラフ合わせを実装。
  • 指定オブジェクトの表面フィット、バルジ、バッチ衣装、隙間・裾・装飾保護を整理。
  • 選択追従フィット、確認・キャンセル可能なライブ編集、プロポーショナル追従、調整ラティスを追加。
  • QuickShellFit のスナップ/転送、プレビュー、相互フィット、強制フィット、ウェイト・シェイプキー・Armature コピーを更新。
  • BodyからClothへコピーデータ転送と、編集/ペイントに対応した変形保護マスクを追加。
  • シェイプキー/メッシュ出力、Setup 時に自動計測、基準側のソリッド化制御を整理。

1.0.0

  • ボディが動く / クロスが動く、シェル / ソリッド / 自動、ライブ調整、シェイプキーとメッシュへの焼き込みを提供。