3DCGによるインクライン表現-ハードウェア&ソフトウェアレンダラー雑感
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インクラインを求めて
3DCGでイラストのような表現をしたい、
日本アニメのような見た目が欲しい。
それを実現するために、トゥーンシェードだけではなくインクラインシェーダーの研究も必要です。
私自身6年間映像に対しての研究や知識を増やしてきましたが決定打がありません。
2014年11月10日現在3DSMAXのPencilがだいぶ幅を聞かせているようですが、
完璧かと言われるとまだ課題も多いようです。(使ってないので聞いた話では)
レンダリング時間や精度、望む見た目を手に入れるトライアンドエラー。ソレをこなしても望む見た目を手に入れること。
さて、Softimageにはメンタルレイでインクラインシェーダーが実装されております。
プラグインで、V-RAYにもインクラインシェーダーがあります。
他、リアルタイムシェーダー等もあります。
小技ですが、裏面を描画しない設定にして、ポリゴンを反転する方法などです。
結論ですが、一長一短があるので使い分ける必要があります。
それをまとめてみました。
なおかつ、私見がメインなので良し悪しは鵜呑みにしませんように。
モット良い手法があったら飛びつきたい位なので。
アウトライン・インク
オブジェクトの外回りにラインを生成する。
V-RAY
利点。
- ソコソコ軽い。
- サンプリング低くても綺麗
悪い点
- 設定項目が少ない
- カスタマイズ出来ない、スカラーポートは空いてるけど何接続しても反応がない?
- 開発停止。V-RAY3.0が最後ですし(SIは)
以上。実に研究不足ですが良い使い方しってたらぜひ教えてください。
実に仕事で一回使ってます。背景イラスト集という教室モデルをレンダリングする際に、
メンタルレイが汚すぎて…サンプリングMAXなんかでやればマダマシですがそれはコスト高杉!ということでV-RAY.
製作者紹介が3DCG Generalistじゃなくて 3D「CD」ジェネラリストになってるのが目印です。ぜひお買い求め下さい。
メンタルレイ(Mental Ray)
良い点
- 無料で使える。SIユーザーなら。
- SIユーザーの御大により記事が作られています。
ポリゴンの境界にインクライン。
インク線の距離減衰。
- 設定がとにかく豊富。ただし使いこなすのには難易度がカナリ高い。マニュアルが意味不明
- 制作実績、鉄コン筋クリート http://www.tekkon.net/
悪い点
- インクが途切れる箇所が多い。2倍のサイズでレンダリングするか、サンプリングをMAXにする。それでもダメなら3倍のサイズでレンダリング。
- レンダリング後に、フレームによって、途切れた箇所を見つけるのでレンダリングやり直しは100%有ると思ったほうが良いレベル
- 素人で現場経験ないのに動画でコレを使いこなせてる人がいたら盛大な拍手をしてあげたい。
- 綺麗に出すためのレンダリングコストが高い。しかし最近のPCであれば相当速くレンダリング出来るようにはなっている。
- 開発停止
ポリゴン反転
手順。ビュー表示の、背面描画をOFF。
オブジェクトをクローンする。
法線を反転させる
インク色に変更。以上。(どうでもいいけど、真っ黒はダメ、せめてちょっと茶色入れましょう。RGB000はいろんな理由でダメ)
SixInkシェーダーではICEでをつかってジオメトリクローンし、強弱は元モデルのウェイトマップを参照しています。
マニュアルも有りませんしサポートもしませんが
SixINKアドオンの公開をします。スクリプトのリンクも切れていますし
説明書はありませんので気合で使って下さい。そのうち整備します。
https://dl.dropboxusercontent.com/u/204619/SixInk/SixInc_1.0.xsiaddon
良い点
- レンダリング時間なし。(だがエンベロープ付だと操作が重くなる)リアルタイムで描画出来る(コレは素晴らしい
- 直接モデリングで変形するなりしてインクの強弱が調整できる
- 線の太さは自動で設定される。3D空間にあるものなので。
- 不要な箇所はハイディングもできるし、削除もできる。汎用性としては最強!
悪い点
- 数が増えてくるとビュー操作が重い。使う直後までハイディングするなりしてごまかす。
- インク用とはいえ、たんなる3Dポリゴンオブジェクトなのでアセットマネジメントを丁寧に行いましょう。
- ポリゴンなのでファイル容量もカナリ増えます。
- 裏面描画OFFが必須になるので、裏面が必要な場所は複製して裏面作りましょう。
インライン・インク
あまり聞かない言葉ですね。便宜上私が勝手に作りました。
Photoshopでいうと、光彩(内側)的な感じです。
MetaSLのOutLine
以下観ていただくと分かるように、たんなる球ですが精度が相当低いです。味がでるので、七尾式モデルは「丁度和風っぽいね!」という感じで採用してます。
良い所
- 軽い、リアルタイム。
- 和風モデルなら相性はいいとはいえ、全てのモデルがこの見た目に引きずられるかも。七尾様はコレ使ってますが私は満足している。
- レンダツリーのMetaSLスカラノードで制御できるので、ウェイトマップや頂点カラーでインクの強弱や出方が調整できる。
悪い所
- マルチサンプリング上げないと見た目変わるので注意。
- 精度は低い。エッジが切れる箇所もあるしエッジのライン太さはバラける
メンタルレイのインシデンス(Incidence)シェーダー
サーフェイス/カメラ→バイアス高めに、ゲイン低めに。
良い点
- 軽い。
- メンタルレイでもリアルタイムMetaSLでも使える。
悪い点
- 造形によっては出てほしくないラインがでる。下の図参考ですが90度直角の箇所はどうしようもな状態になっています。球とは相性が良い。
最後に
正直インクライン系はあらゆるレンダラーが、元々力入れていないのと
資本も集めれなさそうなので趣味の領域からは出ないのではいかと感じています。
MMDやUnityに賭けたほうが良いのではなかろうかと考えています。
私はこの分野で努力していくつもりなので
新しい情報やSixInkアドオンのアップグレードがあれば随時公開していきます。
https://dl.dropboxusercontent.com/u/204619/SixInk/SixInc_1.0.xsiaddon
引続きインクラインに関しては研究中です。素敵な情報あればぜひ教えてください!
あくまでここの記事はひとつの意見として認知しておいてください。
間違いを正すよりも、よりよりツールの開発提供が必要…
コンポジットでインクラインを出す方法もありますが今回は取り上げません。
法線使ったり頂点カラーで区分け作っておいて等など…
参考リンク
検証:3Dアニメに輪郭線は必要か?その3
榊さんの記事。AfterEffectで輪郭線を作るための手法です。
「シドニアの騎士」モデル販売のデータを見てみました 会社によって、千差万別なモデリングの考え方
(オマケ)mayaのpfxToonの問題点等も合わせて、トゥーン用のモデル製作Tips